ゴア。GOA。
その響きに何かを感じる人は、けっこう多いのではないかと思ったけれど、それは旅人とトランスの世界だけの話でしょうか。多分そうですね。普通はゴアと云ったら、ブッシュに負けた民主党のゴアを思い出しますよね。
と、1人勝手に納得したところで、インドのゴアについて。
広いインドには、多くの特色ある町や地域がありますが、その中でも特異中の特異なのが、ゴアではないでしょうか。"インドであって、インドではない"とは、ガイドブックなどによく書かれているフレーズですが、ゴアと聞いて即座に連想するのは、ビーチ・パーティー・ドラッグ。うん、この時点でもうインドじゃない(笑。最後のドラッグはともかくとしても)。
"タイハイ的な楽園"のイメージですね。このイメージって、今や色んなビーチに適用されると思うんですが、ゴアはその元祖にして代表的存在という感じがします。"ヒッピーの聖地"なんて異名があるくらいですし。でも、ホンモノのヒッピーやパーテ ィーフリークにとっては、ゴアはもう"終わった地"だったりするのかしら?
わたしはここまでの旅路、ゴアへ向かってかなり急いでいました。
前回「とある事情で、19日までにゴアに」と、意味深に書いていましたが、それは、バラナシで会った旅人に、以下の話を聞いたからでした。
「今年は、10年に1回、ゴアにあるザビエルのミイラが公開される年なんですよ。だから僕も、その日までにゴアに行きたくて」
その日というのが、11月19日なのです。
この話を聞いた時点ですでに、ちょっと難しいかな…と思いました。何せまだ、インドに入ってすぐの頃。ゴアはかなり南の方だし、それまでにあちこち観光するだろうし…。で、予想通りあちこち観光したので、わたしにはもう、残された日がほとんどありませんでした。
本来なら、アウランガーバードから� �ンバイ(ボンベイ)に入り、そこからアラビアに飛んで、戻って来て、その後でゴアに入るつもりでしたが、ミイラに間に合うのなら、やはりそれを優先させるべきでしょう。
…ということで、さっきまでの"タイハイ的な楽園"の話とは、何のカンケーもない理由でゴアを目指すわたしなのでした。流れ的に、"フルムーンパーティのため"とかにしたかったんですけどねえ。
ゴアの州都であるパナジに着いたのは、19日の早朝と、まさにギリギリでした。
アウランガーバードからの直通バスはないので、いったんプネーまで出て乗り換え。いつにも増して長い道のりでした。
ちなみに、プネー→パナジ間の夜行バスは、"セミラグジュアリーバス"というふれ込みだったのですが、「どこがラグジュアリーじゃ!!」とキレそうになるよーなシロモノ…やっぱインド、旅行者をナメてます。
さて、ひとくちにゴアと云っても、その範囲はかなり広いものです。
通称"ABC"と云われるアンジュナビーチ(A)、バガビーチ(B)、カラングートビーチ(C)を始め、バガトールビーチ、シンケリムビーチ、コルヴァビーチ、アランボールビーチ…などなど多数のビーチエリアがあり、さらに、州都パナジ、マプサ、オールド・ゴアなどの町エリアがあって、それらはみな中途半端に離れており、移動にはバスか原付が必要です。ゆえに、宿をどこに決めるかは、けっこう重要なポイントになってきます。さらに悪いことに、わたしは、原付に乗れないという、ゴア生活において致命的な欠陥を背負っているのです。。。
毛色の違う色んな旅館が、「ウチはいいですよ〜」「くつろげますよ〜」「露天風呂ありますよ〜 」などと軒並を揃えて手招きしているようで、ヒジョーに悩みます。
わたしは、アンジュナビーチを選びました。
アンジュナは、ゴアのビーチの中でも代表的な、云ってみれば老舗のビーチ。パーティ&ドラッグのイメージを色濃く反映しており、ある意味では最もゴアらしいビーチと云えるかも知れません。
もっともこれは昔の話であって、現在は小金持ちのインド人の若者が増えているとかいないとか。リピーターであれば、もっと人の少ないマニアなビーチを選ぶのでしょうが、まあ、ゴリゴリの初心者かつミーハー旅行者かつ田舎者のわたしには、妥当な選択でありましょう。ムンバイ辺りから遠征してくる、インドのヤンキー(?)と大差ないのです。
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